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e-waldorf newsletter no.14

シュタイナー教育と粘土造形
2010.10.14

こんにちは。
今回もイギリスから、ニューズレターをお届けします。

今朝の気温は6℃でした。
イギリスではすっかり晩秋〜初冬の気配。
日本の紅葉や真っ赤な夕焼けを恋しく思う今日この頃。
みなさんはどんな秋をお過ごしでしょうか。

さて、今日は、粘土についてお話したいと思います。
といいますのも、e-waldorfでは10月からオンライン・
ワークショップと称して新プロジェクトを始動している
のですが、その最初のワークショップが粘土造形。おか
げで、生活がすっかり粘土に染まっている(笑)ので、
ニューズレターでも粘土のことを語ってみたくなりまし
た。

粘土というと、ぬらし絵やオイリュトミー、フォルメン
などの華やか(?)なシュタイナー教育独特の教科に
押されて、ちょっと地味なアクティビティのように思わ
れるかもしれません。

でも、実際、シュタイナー学校でのアートクラフト活動
の三本柱は

  • ペインティング(ぬらし絵)、
  • ドローイング(フォルメンなどの線描)、
  • クレイモデリング(粘土造形)
    と言われています。

ぬらし絵は、前回のニューズレターでもとりあげました
が、色を体験し、その色を心で感じ取る「感情」の働き
の要素が強いアクティビティです。

フォルメンは、感情や意志、それからそれに繋がっても
ちろん思考も働きます。

粘土造形には、ぬらし絵にも、フォルメンにもない要素
があります。少しリストアップしてみましょうか。

  • 両手、両腕を使うということ。
    (ぬらし絵や線描は利き手中心のアクティビティです)
  • 手全体を使うということ。
    (ぬらし絵や線描は利き手/手首の微妙な動きです)
  • 三次元の造形であること
    (ぬらし絵や線描は紙の上の二次元の作品)
  • 素材に直に触れ、素材に手で働きかけること
  • 自然の素材(陶芸用の粘土/地球からとれた土)を手全体
    で感じる作業
    (ぬらし絵も線描も、絵の具やクレヨンを「使って」
    作業をするのであって、「素材に」働きかけることは
    しません)

またシュタイナー教育で粘土というと「蜜蝋粘土」を
連想される方も多いかもしれません。

蜜蝋粘土も素晴らしいモデリング材料です。でも、蜜蝋粘
土で造り上げるものは、小さな動物や果物、人など、ミニ
チュアの世界。ですから、蜜蝋粘土でモデリングをしてい
るとき、作業の中心になるのは指先です。

粘土造形のエクササイズでは、両手いっぱいくらいの大き
な粘土の塊を使います。大きな粘土の塊を使ってモデリン
グをするときには、指先だけではできませんね。手の付け
根で力を込めて押したり、両手の丸いくぼみをつかって形
を作ったり、その形を手全体で感じたり、細かなところを
指先で創り上げたり、、、手全体を使います。

手全体を使うと何がいいのでしょうね?
どんな教育的(?)効果があるのでしょうね?

これは実際にやってみて感じ取ってみていただきたいとこ
ろなので、答えを言うのはやめておきます。

ぜひ、実際にやってみてください。答えを聴くのと、体
験から学び取ることでは、まったく違う学びですし、学び
の深さが違いますから。

今回、粘土を取り上げましたが、私は、子どもの頃から粘土
の作業はあまり好きではありませんでした。学校から与えら
れた油粘土の臭いとベタつく感覚が好きでなかったし、突然
「馬を作ってみましょう」などと言われても上手くできる訳
もなく・・・。

シュタイナー教育を知るようになって、油の入った不快な感
触の粘土ではなく、自然の土から異物を取り除いただけの
「陶芸用粘土」を使って造形するようになりました。自然の
土だから、触っていても不快なべたつきがありません。手は
土で汚れてしまうけど、自然のものだから不快ではありませ
ん。長い時間、粘土を触っていると、乾いてくるのは、油粘
土にくらべて不便なのかもしれませんが、それも自然の摂理
です。考えてみればずっと触っていても乾燥もせず、放って
おいても何年も使える油粘土のほうが余程、不自然で不思議
です。シュタイナー教育では「世界」を学んでいます。自然
の摂理に反している素材を使っていては、世界を学ぶ妨げに
なってしまうように思います。

自然の土を手に持ち、それに力を加えているとき、私は世界
と一体になって、世界と一緒に働いている気がします。私が
世界に働きかける。世界は私の働きに応えて動く。世界から
私は受け取り、私は世界に与える。一緒に世界を織りなして、
一緒に調和をもって呼吸をする。

そんなことを、私は感じます。

もちろん、これは私の感じることで、他のひとは違うことを
感じるでしょう。それぞれの人が、違うことを感じとる。そ
のどれもが正解です。

また、私は、粘土造形の作業から癒されます。
自然の素材、大地の素材を使う効果でもあるでしょう。
でも、大きな塊の粘土を使う作業によって、魂のバランスが
とれ、ヒーリングになるように思います。実際、粘土のエク
ササイズをした日は、精神世界に吸い込まれるように良く眠
れます。

どうぞ、ぜひ、両手で包むくらいの大きな塊の粘土で粘土
造形をしてみてください。

***

e-waldorf inspiration
オンライン・ワークショップ
アート・クラフト・プログラム
http://course.e-waldorf.com/
会員制のネット上でのワークショップ。
シュタイナー教育を初めてとりいれる方にも、
シュタイナー学校の先生にも。

粘土造形、フォルメン、手仕事、オイリュトミー、
クラフト、ぬらし絵など、アート・クラフトを
バランス良く学びに取り入れましょう。

10月15日までディスカウント中。