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e-waldorf newsletter no.15

「エポック授業」
2010/10/29

シュタイナー学校には「エポック授業」という授業があります。
「毎朝2時間×週5回×3~4週間」
の間、1つの教科を集中して学習します。3~4週間続く1つ
のエポック授業が終わったら、次の教科のエポックに移ります。

朝の詩を皆で唱えたあと、エポック授業に入ります。

エポック授業では、朝の詩を皆で唱えることから始めます。
そしてその後、リズムを使ったエクササイズからスタート。
低学年ではモーニングサークルと呼ばれるもので、輪になって
歌を歌ったり、歌に合わせて体を動かしたり、また、ビーンバッ
グ(お手玉)や棒を使ったエクササイズをします。スピーチ
エクササイズ、楽器演奏、算数の暗算エクササイズもこのサー
クルタイムに取り入れられます。

低学年のうちは、このサークルの時間に20~30分使います。

このサークルで、体も頭を目を覚ましたところで、エポックの
教科の内容に入ります。

前日に学習したことを復習し、新しい内容について学習をし、
それに関係するアクティビティをしたりしてから、エポックノー
ト作成などの作業。

そして、おしまいには先生によるストーリーに耳を傾けます。

学年や担任の先生のやり方によって、もちろん差はありますが、
大体このようなリズムで毎日のエポック授業は進められます。

バランス良いリズムで子供達が学べるよう、集中する時ーリラッ
クスする時、頭で考える作業ー実践的な作業、動きー静止、聴く
時間ー発言して参加する時間、見ている時ーする時・・・という
ように、偏りがなく、うまく呼吸するように授業が進められます。




毎日のリズムに加え、1週間のリズムもあります。

休み明けの月曜日と、週の中日、そして休み前の金曜日では、
生徒のムードも違えば、それに適する学習のクオリティも違い
ます。それに合うように、ウォーミングアップ的要素の強い月
曜日、そこから新しいことを吸収する要素の強い週の中日、そ
の週に学んだことを内に沈めて消化して、その後週の終わりに
かけて、何らかの形で浮き上がらせて表現、アウトプットして
いきます。ある意味、1つの学びが1週間のリズムでうまくま
とまり、形になるのです。これも、学年や教科、先生の方針
によって様々ですが、生徒たちは、その先生が創造するリズム
を受け止めて、そのリズムを自らのリズムとして取り入れなが
ら学んでいきます。


そして、エポック授業の4週間のリズム。

4週間のエポックでは、初め、ごく基本的な内容からスタート
し、既習事項の確認をしたあと、新しい概念をアクティビティ
をふんだんに取り入れたワークを通し、手と心と頭を使って学
習をしていきます。

4週間の間で、学びが、最初の1週間で自我に働きかけ、2週
目でアストラル体に、3週目にエーテル体に、そして最後の週
で肉体にまで学びが浸透する。・・・その為に4週間という期
間が1つのエポックに必要なのだとシュタイナーは言います。

この4週間毎のエポック授業が、1年を通して、また大きなリ
ズムを創るのです。





シュタイナー学校の授業で特徴的なことは「忘れること」を
重要視することでしょうか。メインストリーム教育のなかでは
いかに情報を忘れないように保持するか・・・というところに
焦点をあてて指導をしているように見えます。シュタイナー教
育では、わざと、忘れる状況を作り出すのです。

エポック授業というものが4週間続き、例えば社会をずっと学
習し続けた後に、全く別の教科のエポックを学習します。そし
て4週間終わるとまた次の教科のエポックへ。算数や国語など
のエポックの間に、社会は勉強しません。せっかく勉強したの
に忘れちゃう!・・・と心配になるのが、私たち、普通の教育
で育った大人。

ところが、じっくり、深く、自我から肉体まで浸透するような
学びをした後には、深くに眠っている記憶、忘れ去ってしまっ
たかのように思える体験、知識が、あるとき、また関連のある
出来事にであった時、生きて呼び覚まされるのです。しかも、
それが生きた概念となって成長するのです。

この深い学びをするための「忘却」は、日々のエポック授業
でも繰り返されます。その日に学んだことは、眠りについて
さっぱりと「忘却」の領域へ手放します。一度「忘却」の領
域へ手放した内容は、その翌日、「前日の復習」の中で蘇りま
す。「前日の復習」という書き方をすると、復習のテストのよ
うな冷たい印象を与えてしまうかもしれませんね。実際は、前
日やったことを思い出して話をしたり、ディスカッションをし
たりして、前日の内容を表現することにより「呼び起こす」作
業です。この呼び起こす作業で、前日の学びを、創造力豊かに
浮かび上がらせます。そうやって、学びが、本当に「自分のも
の」になるのです。

この日々の小さな忘却→呼び起こしの繰り返しが、エポック全
体の大きな忘却→呼び起こしを可能にし、子供達の中に、これ
から子供達とともに育つ「種」を植え付けます。

植え付けられた「種」は、あるとき、同じような事柄、関係の
ある出来事に再会したときに、「あ!」と頭の中で灯りが灯る
ような気づきがあったりするのですね。他の事柄と結びついて
いることに突然気づいたり、本当の意味が突然理解できたりし
て、学んだこと、その概念が、成長するのです。

そんな学びを、私も子どもの頃にしたかった・・・と思います。
もちろん、今からでも遅くはありませんが。一生、学び続け、
成長し続けていきたいものです。




シュタイナー教育を家庭に取り入れよう。
大人にも、子どもにも。

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