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シュタイナー教育エッセイ「ブロッククレヨン」

シュタイナー教育独特の文房具に「ブロッッククレヨン」が
ありますね。シュトックマー社から出ている、直方体のクレ
ヨンです。このクレヨンは、幼稚園や小学校低学年で使われ
ることが多いですね。

多分、小さなお子さんのいらっしゃるシュタイナー教育に関
心のあるご家庭には、1箱くらいこのブロッククレヨンがあ
るのではないでしょうか。

このブロッククレヨンはシュタイナー教育ならではの文房具
ではあるのですが、実際のところ、シュタイナー存命中には
このクレヨンはありませんでした。このブロッククレヨンが
発明されたのは1950年代のこと。アート教師が、高校生の
表現力に幅を持たせる為に開発した「画材」なんです。

それが、小学校でも使われるようになりました。エポック
ノートに文を書く時に、ブロッククレヨンで太い水平線を描
くことで、文章を書くための罫線にします。また外枠や太線
を描くのにブロッククレヨンだと1cm、2cm、3cm程度の
一定の太さの線を描くのに便利だという利点も。

広い面を塗るフォルメンをするのに利用したりもします。

また、広い面をムラなく塗るのに適しているので、小学校2
年生以上くらいで、作品に芸術性をもたせるのにも適してい
ます。

幼稚園でブロッククレヨンが多用されているのは、形に拘ら
ず面を着色することで色の体験をする・・というのが1つの
理由。確かに色鉛筆やスティッククレヨンを使うと、輪郭を
線で描くことになりますし、細かい絵になりやすい。キャラ
クターの絵などを子どもが描くのも、スティッククレヨンや
色鉛筆を手にした時だと思います。

そういう面をふまえた上で、シュタイナー治癒教育のエキス
パートであるインゲン・シュナイダーさんのリサーチ資料か
ら、彼女のレポート、意見を紹介させて下さい。
––––
小さな子供達が「絵」を描き始めるとき、初めに描くものは
「線」です。最初は、意味の無いぐちゃぐちゃに描いた線、
それが、毛糸玉のような絵になり、円を描き、螺旋や四角形
や三角形を描くようになるのが典型的な成長の過程です。こ
れらの図形は、ブロックよりもスティッククレヨンの方が適
しています。

幼稚園や小学校低学年では、まだ腕や手首の動きが成熟して
おらず、成長過程です。ブロッククレヨンを握ったとき、そ
の独特な形のため、肩や首筋にスティッククレヨンのときに
はないテンションがかかります。そのことで、子どもの体の
動きのスキルの発達を妨げる可能性もあります。

また、ブロッククレヨンは広い範囲を簡単に塗ることができ
るため、乱雑に紙の全面を塗ってしまって、それで絵を「完
成」させてしまう傾向もあります。

インゲン・シュナイダー
リサーチ資料「手の発達を助ける」より

––––
実際に、幼稚園の子どもを観察して先生の立場としてどう考
えるか・・・というところは、現場で活躍されている幼稚園
の先生にお聞きしたいところです。

ご意見ありましたら、どうぞ、kayo@e-waldorf.comまで
お寄せ下さいませ。